山梨肺癌研究会会誌 第19巻1号 025-029(2006)
当院における肺癌外来化学療法
-約4年間の経験-
大木善之助 石井康博 菱山千祐 小澤寛良
宮澤正久
佐藤貴子 向山ゆりか
鈴木孝子
要旨:当院では手術不能進行期肺癌あるいは再発・再燃肺癌患者の治療に積極的に外来化学療法を導入しており、約4年間で外来化学療法を実施した延べ肺癌患者数は1650人(月別平均38人)であり、症例数は79症例であった。非小細胞肺癌56例に対しピノレルビン、ジェムシタビン、ドセタキセルなどの新規抗癌剤の併用あるいは単独療法を施行、うち47例にピノレルビン単独療法を実施した。26例(55%)でTTP(time to progression)の延長を認め、入院を要する重篤な副作用は発熱性好中球減少2例(4%)、急性問質性肺炎1例(2%)であった。小細胞肺癌23例に対してはイリノテカン、アムルビシンの単独療法を中心に施行、8例にアムルビシン単独療法を実施した。4例のPRを含む6例(75%)でTTP延長を認めた。 発熱性好中球減少1例(13%)以外、入院を要する重篤な副作用は認めなかった。非小細胞肺癌に対するピノレルビン単独療法、小細胞肺癌に対するアムルビシン単独療法は、効果・副作用より肺癌外来化学療法に適したレジメンの一つであると思われた。
キーワード:肺癌外来化学療法、ピノレルビン単独療法、アムルビシン単独療法
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